研究?産学連携
注目の研究~Notable Research of NTUT~
ここでは、筑波技術大学ならではの注目すべき研究活動に焦点をあて、その研究トピックや人物像を紹介します。
vol.1:高精度時刻情報を保持可能な自律型IoTセンサ
産業技術学部の倉田成人教授の研究グループは、チップスケール原子時計を応用し、GPSやネットワークに依存せず、高精度な時刻情報を保持できる自律型IoTセンサの開発と適用を進めています。この技術が実用化されると、世界中どこでもセンサをばらまくだけで、正確な時刻情報を付加した計測データが得られるようになり、建築、都市、社会インフラの維持管理等を目的としたマルチモーダルな時系列ビッグデータ分析に活用できます.
vol.2:舞台芸術活動における手話通訳(舞台手話通訳)の専門性
障害者高等教育研究支援センターの萩原彩子助教授の研究グループは、舞台手話通訳に特化した技術を明らかにし、聴覚障害者が舞台芸術を鑑賞する際のアクセシビリティを向上させることを目的として、アメリカやイギリスにおける舞台手話通訳の養成や研修の現状や、我が国で先駆的に上演された舞台手話通訳の事例分析等を行なっています。
vol.3:視覚障害者の知覚?認知機能のモデル化とその応用
保健科学部の坂尻?大西?松尾研究室では、視覚障害者特有の知覚?感覚機能を解明?モデル化し、それらを様々な応用分野につなげる基礎研究を推進しています。本研究室では、このような人間のもつ未知の能力を解明し、それらを応用することで人々の生活を豊かにする技術開発や多様性の時代における教育モデルの構築など、人の能力を高めるのに寄与する様々な技術を多く生み出すことを目指しています。
vol.3:視覚障害者の知覚?認知機能のモデル化とその応用ページへ
vol.4:気象庁との連携による教育研究活動
2023年3月に東京管区気象台?水戸地方気象台?筑波技術大学で連携協定を締結しました。この協定は、防災分野における要配慮者対策の推進による地域防災力の強化及び多様性に富む地域社会の形成?発展に寄与することを目的としています。協定締結前に実施したものも含め、これまでの連携による教育研究活動について紹介します。
vol.5:視覚障害者の学習における手書きの有効性とその脳メカニズム―人は手を動かして記憶する―
本研究は、手書きによる筆記行動が成人の中途視覚障害者の学習に有効であることを実証することを目的に行いました。研究のきっかけは、50代で視力は光覚の方が「記憶のために」と、ペンで文字を繰り返して書いている姿を観たことによります。
研究では、二つの行動実験と脳機能計測(機能的磁気共鳴画像;fMRI)を用いて、手書きの記憶に対する有効性の神経基盤を明らかにしようと試みました。
vol.6:鍼治療の効果や新たな教育方法を検討して視覚障害者に貢献
視覚に障害がある学生が学ぶ春日キャンパスでは、医療系の国家資格であるはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師を養成しています。現代は西洋医学が主流となり、科学的根拠に基づく医療(EBM;Evidence-based Medicine)が求められていますが、鍼灸あん摩マッサージ指圧は経験医学と呼ばれ、歴史はあるものの、その効果についてのEBMが十分ではありません。また、本学以外の視覚障害者教育機関には、鍼灸あん摩マッサージ指圧と西洋医学が協働する臨床?教育施設はありません。以上のように、鍼灸あん摩マッサージ指圧のEBMの確立や視覚障害者に対する西洋医学との協働の実践教育は不可欠です。
本学の“東西医学統合医療センター”は地域医療に貢献しながら、視覚障害者を有する鍼灸あん摩マッサージ指圧師の臨床教育を行うと同時にそれらの研究に取り組んでいます。ここでは、我々の研究の一部を紹介します。